地域の皆様とともにしっかりと歩いていく
幸せの花咲か村 代表 瀬来 清美
山口を拠点にサービスを展開している株式会社無尽蔵では、「幸せの花咲か村」というコンセプトのもと、大切にしている想いがあります。
「誰もが持つ可能性を信じ、寄り添うこと」
「人やモノとの出会いやご縁を大切にすること」
「感謝の気持ちをしっかりと伝えること」
これらが株式会社無尽蔵として、そして幸せの花咲か村として、これまでずっと守ってきたもの・これからも守り抜いていくものです。
その想いは、当社で働くスタッフの一人ひとりにしっかりと根づいています。同じ想いを持った仲間が集まり、地域の皆様に貢献していく、そうすることで、地域にも良い影響を広げていくことができる、そう信じております。
こちらでは、当社の精神がよく表れたエピソードをいくつかご紹介したいと思います。ぜひご覧ください。
誰もが持つ「奇跡」の可能性に寄り添う
当社の介護施設「ありがとうやない」に、一人の男性が入所されました。その方はすでに寝たきりに近い状態で、これまで他の施設で幾度となくつらい目に合われていたようです。その方は事あるごとに「ありがとう、ありがとう」と言ってくださいました。私たちはとても丁寧な方だと思っていましたが、実はそれは「厄介者と思われたくない」「もう邪険に扱われたくない」という気持ちの裏返しだったのです。私たちは、これまで大変な想いをされてきたその方に、手厚くお世話をしてさしあげることを心に誓いました。
少しずつスタッフと心を通わせながら、一生懸命リハビリに励まれる日々が過ぎていき、入所されて2~3ヶ月が経つ頃、ある出来事が起こりました。入所当時はほとんど寝たきりだったその方が、とうとうご自分の力だけで歩けるようになったのです。
私たちは確かに「奇跡」を目の当たりにした、と思いました。その方が歩けるようになった喜び、心からの笑顔を見せてくださった喜び、いろいろな喜びがあふれた素晴らしい出来事でした。
これは決して特別な話ではありません。人間は誰しも隠れた力を持っているはずなのです。私たちはその可能性をひらくお手伝いがしたい、そんな想いを抱きながら、毎日の仕事に励んでいます。
あらゆる人やモノとのご縁を大切に
2020年の早春、当社で長く活躍してきた社用車・5848号が、天寿を全うしました。走行距離は35万キロ。軽のワゴン車としては相当がんばってくれたと言えます。さすがにあちこちに不調が出始め、ついに車検も通らなくなってしまい、引退の日を迎えることになりました。
5848号は晴れの日も嵐の日も、いつでも私たちの業務を支えてきてくれました。2019年になって調子を崩し、いつエンストしてしまうかわからない、という状態が続いていました。お客様からも「この車で大丈夫?」とご心配いただくほどだったのです。しかし、いつも5848号を運転していた社員はこう言いました。
「人であろうとモノであろうと、一度できた縁は最後まで大切にする」
そうして、5848号が力尽きるまで、大事に運転を続けました。
この精神は、会社全体の考えかたに合致しています。相手が人でもモノでも関係なく、ご縁を大切にすること。地域の中でサービスを続ける私たちにとって、決して忘れてはならないことなのです。
言葉の壁を越えて伝える感謝の気持ち
誰かに「ありがとう」と伝えるのは、時には照れてしまって、なかなか素直にはなれないものかもしれません。しかし、感謝の気持ちをしっかりと相手に伝えることの大切さを、私たちは常に意識するようにしています。
当社のサービスをご利用くださっていたお客様で、パキスタン出身の方がいらっしゃいました。長くご利用いただいていたので、ぜひお礼の気持ちをお伝えしたいと考えていたのですが、その方は日本語がまだご不自由で、しっかりとコミュニケーションが取れずにいたのです。
そんな状況の中、あるスタッフが自発的にひとつの行動に出ました。
その方が話すヒンディー語を勉強し、お渡しする伝票にヒンディー語で「いつもありがとうございます」と書いたのです。その方は大変驚かれると同時に、心から喜んでくださいました。初めて本当の意味で心が通い合った瞬間でした。
感謝の気持ちをしっかりとお伝えする、その信念はスタッフ一人ひとりに受け継がれています。